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「星の王子さま」は永遠の王子さま

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フランス人の飛行機乗りであり小説家でもあるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによって書かれた『星の王子さま』は、1943年にアメリカで初版されて以来、世界中の国と地域で翻訳され、すでに1億5千万冊を超えるロングベストセラーとなっています。

児童文学に分類されますが、日本でも子供から大人まで多くの読者に愛され読み継がれて、関連本も多数発行されています。

『星の王子さま』の研究者は多くいますが、作者であるサン=テグジュペリは初版発行の翌年1944年に第二次世界大戦の偵察中に地中海で消息を絶っています。

彼自身の生涯が『星の王子さま』と重なり、子供の心を持ったまま星になったのだと思わされます。

『星の王子さま』のあらすじ

皆さんも良くご存知のことと思いますが、簡単にあらすじを紹介しましょう。

操縦士である「ぼく」はサハラ砂漠に不時着して、残り少ない水と誰もいない砂漠に孤独と不安な夜を過ごすが、翌日一人の少年に出会う。少年はある小惑星からやってきた王子だと名乗る。

王子の星は家ほどの大きさで3つの火山、恐怖のバオバブの芽、一輪の美しいバラの花があり、毎日火山の掃除をしてバオバブの芽を引き抜き、バラを大切に世話していた。

ある日バラの花と喧嘩した王子は、他の星を訪れる旅に出るが「体面ばかり繕う王」「自惚れ屋」「酒飲みを忘れる為に酒を飲む呑み助」「星の所有権を主張する実業家」「1分ごとに点火と消火を繰り返す点灯夫」「机を離れられない地理学者」へんな大人ばかりに出会う。

7番目に地球にやってきた王子は、砂漠でヘビに出会い、高い火山、数千のバラの花を見て、自分がいとおしく思っていた小さな星の火山や1輪のバラは、ありふれたつまらないものだったと泣く。

そこへ現れたキツネに遊んでほしいと頼むが、仲良くならないと遊べないと言われ、「仲良くなる」とはあるものを他とは違う特別なものだと考え、何かにつけそのあるものを思いだすようになることだと教える。

これを聞いた王子は、自分が美しいと思い精いっぱい世話をしてきたバラはやはり愛おしく、一番美しいバラだと悟る。

キツネと別れる時仲良くなっている事に気付き、別れる悲しさに「悲しくなるなら仲良くならなければよかった」と思う王子に、「黄色の麦畑を見れば王子の美しい髪を思いだせるなら、仲良くなったことは無駄でも悪いことでも無い」とキツネが答える。

別れ際「大切なものは、目に見えない」という秘密を王子はキツネから教えられる。

飛行機の修理に悪戦苦闘するぼくの蓄えの水がなくなると、砂漠に井戸が見つかるわけがないと思いながらも「井戸を探しに行こう」という王子についていき、本当に井戸を発見する。一緒に水を飲みながら、王子が地球に来て明日で1年になることを知る。

奇跡的に飛行機が直ったぼくは、王子に知らせに行くとヘビと話をしていた。

1年前と星の配列が同じになる今日、ヘビに噛まれて身体を砂漠に置いて自分の小惑星に帰る為に砂漠にやってきたのだった。

別れを惜しむぼくに「自分の星に帰るのだから、夜空の星を見上げてその星のどれかで自分が笑っていると想像すれば良い。そうすれば、星全体が笑っているように見えるはずだから」と話すと、ヘビに噛まれて王子は砂漠に倒れた。

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大人になりきれない若者が増えている

『星の王子さま』を解釈する中で、「永遠の少年」が最もよく表現され、テーマになっていると言われます。

立派に成人している年齢になりながらも思春期の心理状態のままで、大人になりきれず17、18歳の年齢時の特性を持ったまま尾を引いている人の事です。

古代ギリシアの神であり、オヴィディウスの転身物語に由来し、成人することなく死に太母の子宮で再生して再びこの世に少年として現れる、決して成人しない英雄なのです。

この神話に由来して「永遠の少年」と心理学者ユングが名付けましたが、永遠の少年にはいくつかの特徴があると言われます。

現実的な社会への適応が難しく、誤った個人主義を抱いている

自分は特別な存在だから社会に適合する必要が無いと考え、どんな仕事も望み通りの職業に思えず自分にふさわしくないと考えています。本来の人生を生きていない現実逃避的感情や態度を取ってしまいます。

危険なスポーツ、登山や飛行に強く惹かれる

日常生活から逃避したい気持ちの表れで、飛行機事故や山での遭難などで若死にすることも珍しくありません。

母親に強く依存する

永遠の少年を生みだす最大の要因である母親は、彼らにとって絶対的で偉大なものです。常にその懐に抱かれたいと願いながら、時に懐から飛躍し死をも恐れないところもありながら、結局は母親の庇護の下で現実逃避した世界を生きているのです。

母親は呑み込む者であり、育む者であり、永遠の少年を作りだすものなのです。

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『星の王子さま』は永遠の少年なのだろうか?

『星の王子さま』の作者、サン=テグジュペリは典型的な「永遠の少年」であるといわれていますが、その確実的な証拠はなく唯一幼い頃から飛行機が大好きで、大人になってなお強く飛行することに興味を持っていったことがあげられるだけです。

どんな時でも、飛行機に乗る予定があれば機嫌がよく、予定がないと不機嫌になったと言われている事を上げれば、大空を鳥のように飛ぶことで少年の時の気持ちを持ち続けていたのかもしれません。

では、『星の王子さま』は少年ですが、そのまま永遠の少年であり続けるのでしょうか。

自分の星で一人で暮らし、バラの世話をして火山を掃除し、星が壊されないようにバオバブの芽を大きくなる前に引っこ抜く毎日を送っている姿は、少年というよりもしっかりと自分の行うべき行動を取ることができる大人のように見えます。

地球にやってくる前に出会った6人の大人達が、なぜか変な人ばかりと思った事もしっかりと相手を見ているように見えます。

しかし、地球で出会ったキツネの言葉や大きな火山、無数のバラを見たことで自分の考えが幼稚であり、つまらない価値の無い事に感じてしまいます。

これは、他と比べるものを持ち合わせていなかったからであり、人間が成長する段階で経験することを自分の星では出来なかったからなのです。

子供のまま母なる星に帰りたかった『星の王子さま』

いろんな変な大人に出会い、「大切なことは目に見えない」ものだとキツネに教えてもらい、仲良くなるとは他と違う特別なもので何かあると思う出すものと知り、大切にしてきたものが自分に取って一番美しく大事なものであることを思いだす王子は、大人になりきれない大人では無く、少年のまま大人のような考えを手に入れ、自分の星がいかに素晴らしいかを知ったのです。

そして、星に帰る為にヘビに噛まれ身体を残して帰りますが、これは母の子宮に帰り少年として再び産まれて美しいバラと暮らし続ける
そのままの『星の王子さま』を描いているように思えるのです。

空に輝く星々を見上げて『星の王子さま』に語り掛けてみたくなります。

「君のバラは今日も美しく咲いているかい?喧嘩してないかい?」

きっと星空は笑っているように見えることでしょう。

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