芸能界でも「パニック障害」を発症して、苦しい時期を乗り越えTV界に戻ってきた人達がいますね。
漫才の中川家の剛さん、IKKOさん、大場久美子さんなどご自分の発症から克服するまでを公表しています。
「パニック障害」は最近よく耳にするようになりましたが、実際にはどんな症状になるのか、どうして発症するのか、治療方法や注意する点などを紹介していきましょう。
目次
「パニック障害」の発症と罹りやすい人
ある日突然、動悸や呼吸困難、めまい、ふらつき、吐き気などの発作(パニック発作)が起こり、何度も繰り返される病気を「パニック障害」と言います。
心臓がドキドキして息苦しくなり、呼吸できないという不安から過呼吸発作を起こし、このまま「死んでしまう」という恐怖心に駆られます。
発作自体は10分から長くても30分程で治まりますが、原因がわからない為いつ発作が起こるかという不安と、発作の時の苦しさを思いだして発作を起こす悪循環に陥ります。
たまに起こす発作や過呼吸だけの場合はまだ良いのですが、幼い時から不安や恐怖心が強い人、過度のストレスを抱え精神的にもピークに達した時などに「パニック障害」は起こりやすくなります。
また、男性よりも女性の方が3倍の割合で発症し、20~30代でもっとも罹りやすいと言われています。
家事や子育て、仕事に追われ責任感が強く、人に迷惑を掛けたくないと思う人ほど発症しやすい病気です。
[ad#ad-1]「パニック障害」になりやすいかチェックしてみよう!
「パニック障害」は誰でも起こりやすいものではありませんが、誰にでも起こりうる危険性がある病気です。
チェックリストで自分の現在の状態を確認しながら、パニック障害を回避しましょう。
【パニック障害チェックリスト】
- 仕事、家事、子育て、金銭、人間関係などで精神的に追い詰められている
(忙しくて息つく暇もない、借金に追われている、睡眠時間が極端に短いなど) - 完璧主義で細かいことが気になり、神経質で強迫観念が強い
- 人の事が気になり頑張りすぎて自分を犠牲にしてしまう
- 過去にうつ病や自律神経失調症になったことがある
- 幼児期に人見知りが激しく怖がりで、虚弱体質であった
- 過労や重労働によって肉体的に疲れている
- 家庭や職場での人間関係が上手くいっていない
- タバコや酒、コーヒーが好きで毎日欠かせない
- 喘息の薬やうつ病の薬、ピルを飲んでいる(急に止めると薬のリバウンドで発作を起こす)
チェックして当てはまる項目が有ったからといって、すぐに「パニック障害」になる訳ではありませんが、発作を起こすきっかけになりやすいので、少しずつ排除するように生活の見直しをすることをおすすめします。
「パニック障害」の原因は正確にはわかっていない ~なぜ起こる?~
そもそも「パニック障害」はなぜ起こるのでしょう。
仕事の疲れも眠れば何とかなったし、コーヒーも大好きでお酒も飲む、子どもの頃酷く怖がりだったけど母親の手を握っていると怖くなかったし、など急に発作を起こす原因がわからないという方も多いことでしょう。
わからないから不安であり恐怖心を繰り返す、その「なぜ」を見ていきましょう。
脳内で神経伝達物質の活動が高まって起こる
不安や興奮に関係するノルアドレナリンの活動が脳内で高まり、自律神経の緊張状態が生じて動悸や過呼吸、発汗などの症状が起こります。
ノルアドレナリンを鎮める脳内物質(セロトニン)を高める抗うつ剤(SSRI)はパニック障害の有効な治療薬です。
特徴として発作の合間に「予期不安」が起こる
「パニック発作」を経験すると、発作が起きていない時でも「また苦しくなるのではないか」「発作が起きたらどうしよう」という強い不安と恐怖に脅えます。
これを「予期不安」といい、「パニック障害」には必ず生じます。
乗り物や人混みが怖くなる「広場恐怖」になり、日常生活に支障が起こる
予期不安から「もしも発作が起こったら逃げ出せない」場所や状況を避けるようになります。
電車などすぐに降りられない乗り物やスーパーなどの人混みでは、閉塞感や圧迫感を感じてしまったり、逆に家に一人でいる時に発作が起きたら誰も助けてくれない恐怖心から身動き取れなくなります。
「広場恐怖」になると、通勤出来ない為に仕事を無くしたり、家事も出来ないなど日常生活にも支障をきたすようになり、関心や意欲の低下からうつ病を併発する場合もあります。
生死にかかわる病気では無いと知って、きちんと治療しよう
死ぬほどの恐怖の発作も数十分で回復します。「広場恐怖」やうつ病になる前に適切な治療を受ける事が大切です。
[ad#ad-1]「パニック障害」の治療と対処法
「パニック発作」を何度も繰り返し、不安や恐怖心が強くなったら精神科か心療内科を受診しましょう。
掛かりつけの内科があれば最初に診察してもらい、相談するのも良い方法です。
命にかかわる病気では無いので、深刻に考えすぎないことも大切ですが、苦しくて不安なのは自分なのですから、正直に今の状態を受け止めて、抗不安剤や抗うつ剤など医者の指示にしたがって服薬すれば改善していきます。
また、パニック発作が起こった時にも慌てずに、リラックスを心がけましょう。
- 腹ばいや前かがみの姿勢を取ることで、過呼吸を防ぎ動機や息苦しさが治まってきます。
- 誰もいない時には、家族や友人等に電話して「大丈夫だよ」と声を掛けてもらいましょう。
- リラックスできるツボ(合谷、神門、内関)を押しながら、自分で「大丈夫、大丈夫」と気持ちを静めましょう。
- ローズやラベンダーなどの香りを嗅ぐことで、不安が鎮まってきます。深呼吸して自律神経を安定させましょう。
- 空気の閉塞感や息苦しさを感じて、不安になり発汗して来たら、冷たい水を飲んでリフレッシュし気分転換します。冷やされることで発作が治まりやすくなります。
「パニック障害」と併発しやすい病気に注意!
「パニック障害」と近しい関係にあるのが「うつ病」で、パニック障害の半分以上の人がいつかは「うつ病」を経験すると言われています。
パニック障害と併発するうつ病は、非哀感や絶望感、孤独感を夕方から夜に強く感じて、仮眠、過食、疲労感などが主な症状になります。
また、ホルモンを分泌する器官の一つである甲状腺の機能が過剰になる「甲状腺亢進症」、狭心症や心筋梗塞につながる恐れのある「不整脈」、過呼吸とも呼ばれる「過換気症候群」は、パニック障害とよく似ている症状から、パニック障害の適切な治療が受けられず症状が長引くこともあります。
死んでしまいそうな恐怖心と不安を抱えながら、発作に耐える必要はありません。
今もって精神科、心療内科には偏見の目でみる人もいますが、誰でもなりうる病気です。
正しい診断と治療を受けて「パニック障害」を克服していきましょう。
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