子供だけじゃない、大人がはまる「絵本の世界」

絵本は子供の読む本だと思っていませんか?

今や、絵本は大人をも対象にして編集されるほど人気があります。

書店の目立つところに新刊の絵本が並び、図書館でも子供に混じって大人が絵本選びに時間を費やします。

もちろん、子をもつ親が自分の子供に読んで聞かせる場合もありますが、まるで恋愛小説や人生指南本を選ぶ感覚で、自分が読みたい「絵本」を探しています。

小説のように、大人の心を打つ魅力が絵本には詰まっています。

たった1冊の絵本が、読み手の人生感まで変えてしまうこともあるのです。

心に残る絵本に出会うために、また子供と一緒に楽しむために、絵本の楽しみを探してみましょう。

一人の大人として絵本を楽しむ

子供を持つ親は、年齢に応じた絵本を探して読み聞かせ、子供の反応を見ながら成長を感じることが出来ます。

子供は親から絵本を読んでもらえることで、親の愛情を感じながら心を成長させていきます。

言葉を覚え、好き嫌いを自覚し、楽しい、悲しい、恐いという感情を絵本で学び、親は自分を守ってくれる存在であると感じ取ります。

絵本には、文字の他に鮮やかな色彩や大きくシンプルに書かれたイラストなど、誰にでも理解しやすい情報が含まれています。

絵本は、文字を楽しむだけでなく絵や色使いからも感情を揺さぶられる情報がたくさん詰まっているのです。

さて、絵本の読者は3つに分けることが出来ます。

① 子ども
② 子どもを持つ親
③ 大人

もちろん、②の親も大人ですが、子どもに読み聞かせる立場と、一人の大人として絵本を楽しむのとは見方が異なります。

子供の為の絵本と大人である自分が好きな絵本とは違うのです。

自分の為に開いた絵本から、あたたかい心を感じたり、ある時には涙をボロボロこぼしたり、ある時には胸が苦しく悲しみでいっぱいになってしまったり。

仕事や家事、子育て、介護など忙しい毎日ですり減った優しい気持ちを取り戻す力が絵本にはあるのです。

絵本に大人がはまる理由!

絵本に限らず、短歌や俳句、詩に写真、絵画などもその作品の中には物語があります。

写真が大好きな人、絵画に自分の思いを見出す人、短い文字で季節や感情を表現する短歌や俳句、そして詩。

文学には好き嫌いがあって良いのです。

大人の心を揺さぶり、感情を高ぶらせ、涙する作品が絵本であっても良いのです。

「この絵本が大好き」と言える1冊に出会うことは、とても幸せです。

大人だから文字が多くて、難しい内容の本が良いなどと決める必要はありません。

全く文字のないデッサンだけで表現された絵本に涙を流すこともあります。

ページをめくる度に出てくるかわいい動物のイラストに、苦しい気持ちになる絵本だってあります。

疲れ切った時に、優しい物語に癒されて眠りにつく夜があってもいいのです。

誰かのために読むのではなく、自分の為に読む絵本は「読みたい」「読んでみたい」が基本です。

自分で選んだ絵本に感動したら、もっと絵本を読みたくなります。

次はこの絵本、次はこれ、と絵本の魅力にはまっていくのです。

「絵本が好き!」ってなぜ?と聞かれて、理由を言葉にすることは出来ないかもしれません。

優しいイラストとシンプルな言葉がそのままスーッと心の中に入り込んでくる、文字がなくてもイラストで語りたい事が伝わる、小説とは全く異なる感情が湧いてくるのです。

絵本は、長編小説のように長い時間を要する本ではありません。

簡単、単純、わかりやすく伝えたいことを完結に表現されていて、ゆっくり読んでも5分~10分で読み終えることが出来ます。

読みたい絵本を読みたいときに短時間で読むことが出来て、スーッと心にしみわたる。

そんな絵本は、何度でも読みたくなるのです。

大人におすすめの「絵本」

「この絵本は良いですよ」と紹介されたとしても、誰にでも好まれるとは限りませんが、おすすめの絵本は気に留めておきたいものです。

・「木を植えた男」・・・荒れた土地に何年も木を植え続け森に変えていった男の偉業

・「100万回生きたねこ」・・・運命の出会いで人は変わる、名作ラブストーリー

・「こいぬのうんち」・・・うんちが主人公、誰からも必要とされないという悲しみ

・「くまのこうちょうせんせい」・・・実話をもとにした話、何かを成し遂げようとする時どれだけ覚悟できるか

・「ずーっとずっとだいすきだよ」・・・愛する者との死別がテーマ

・「アンジュール ある犬の物語」・・・字がない絵本、白黒のデッサン画がすべての絵本

・「手ぶくろを買いに」・・・気持ちが寒くなった時に心を温めてくれる新美南吉の絵本

・「スーホの白い馬」・・・モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来になった切なく悲しい物語

・「悲しい本」・・・悲しみを乗り越える話でもなく、癒しもない、ただ悲しい本

・「かぜのでんわ」・・・東日本大震災後、実話をもとに作られた悲しみと希望の絵本

・「だいじょうぶだいじょうぶ」・・・この世の中そんなに悪いことばかりじゃないってこと

これらの他にも、たくさんの絵本があります。

書店で自分の大好きな1冊を購入するのも良いですが、図書館でいろいろな絵本を探しては読んでみることをおすすめします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA