賃貸併用住宅の建築スケジュールが固まり、引き渡しの日程が決まったら、その日から賃貸運用が始められるように賃貸管理については早めに業者の選定をしておきましょう。
賃貸併用住宅の建築中はほとんど出番がありません。進捗状況を施工会社に定期的に確認しながら完成を待ちます。その間に完成後の物件の入居者募集など賃貸管理について決める必要があります。
サラリーマン大家の場合、自分で賃貸管理を行うのは難しいでしょうから賃貸管理業者に委託するのが通常です。
ここでは賃貸管理会社の選別について整理します。
賃貸管理会社の選別
賃貸管理業者は驚くほどたくさんあります。同じ物件でも賃貸管理業者によって設定家賃は全く異なりますので、なるべく多くの賃貸管理業者から見積もりをとることを強くお勧めします。
私が実際に複数の賃貸管理業者から取得した見積もりでは最も高い設定家賃と最も低い設定家賃では1万円超の開きがありました。
賃貸管理業者にも入居付けが得意なエリアと不得意なエリアがあり、設定家賃に差が出ると聞きました。
当然ですが、設定家賃から管理手数料を差し引いたものが大家さんの収入になりますので、最も高い家賃収入を提示してきた賃貸管理業者に管理をお願いすることでよいと思います。
賃貸管理業者を選んでいる時の担当者が信用できそうな人間であっても、担当者は変わっていきますので、家賃収入を最大化することを優先した方がよいです。
ただし、業者によっては賃貸管理を依頼する場合、定期清掃も合わせて依頼しなければならないところもあります。
そういう場合は必要な経費を全て合わせて管理手数料と考えてください。定期清掃が必要なのであれば後から専門の業者に依頼した方が安いと思いますので見積もりをとって比較してみてください。
その他にも賃貸管理を依頼することで発生する制約がないかは事前に確認してください。
また、業者によっては毎月一定額を負担することで退去時の原状回復を業者負担でやってくれるサービスもあり、ワンルームが多い物件であれば入退去も多いと考えられるので利用を検討することをおすすめします。
賃貸管理業者を決めた後は、賃貸管理契約の内容を詰めていきます。
賃貸管理契約の締結
賃貸管理契約は一般的な通常管理契約と一括借上契約の2種類があります。
通常管理契約は賃料収入の3%~8%くらいを管理料として、入居者の募集、賃料の集金、入居者の問い合わせ対応など一通りの管理業務を委託します。
通常管理契約であれば入居者がいなければ賃料は入ってきませんし、その分の管理料は発生しません。
一括借上契約はサブリース契約ともいいますが、文字通り賃貸管理業者に一括して借上げてもらいます。
だいたい見積り家賃から10%~15%くらい安い賃料で賃貸管理業者に物件を丸ごと貸します。契約期間内の物件の管理は全て賃貸管理業者が行い、入居者がいてもいなくても毎月一定の賃料が入ってきます。
2つの契約を比較すると管理料の負担は通常管理契約の方が安くすみますが、一括借上の方が賃料収入は安定しています。
ただし対象の物件や、賃貸管理業者によっては一括借上は選択できないケースもありますので管理業者に聞いてみてください。
対象の物件が立地もよく賃貸需要の強いエリアで入居率95%以上が確実であれば一括借上契約にせずとも毎月安定した賃料収入が得られます。
満室経営が続けられれば一括借上契約よりも通常管理契約の方が収入は多くなります。
通常管理契約と一括借上契約、どちらの契約も一長一短ですので自分の物件にあった契約がどちらかを考えてから契約締結してください。