東川篤哉の推理小説がおもしろい!秋の夜長に読書はいかが?

読書といっても時代小説、恋愛小説、青春群像や自己啓発本、コミカルな笑いを誘う小説からSF・ホラー小説まで、それぞれの作家の世界観が作品に出ています。

そんな中、推理小説を好んで手に取る人も少なくありません。テレビのサスペンス劇場の原作になったり、映画化される小説も数多くあります。グロテスクな殺人現場や生々しいのが苦手だけど、軽い感じの推理小説を読んでみたいという方には「東川篤哉(ひがしがわ とくや)」さんがおすすめです。

人気のミステリー作家10人を選んでみました!

常軌を逸した殺人場面や残虐な精神状態、物静かな文体に潜む冷酷さなどリアルに描かれている小説は、怖くて駄目という人も少なくないでしょうが、冷淡な殺人鬼や恐怖ばかりがミステリー作品ではありません。

詐欺や恐喝、交通事故や事件事故から日常生活で起こるちょっとした犯罪を解き明かす、また、加害者と被害者、捜査する刑事や探偵の立場で話が進むので、一口に推理小説といっても作家によってその特徴は全く異なります。

気になる10人のミステリー作家を紹介します。

道尾秀介

近年一段と人気を集めている若手のミステリ―作家です。
詐欺師を主人公にした『カラスの親指』は、映画化されたことでも話題になっています。
はじめて読む人には、小学生の推理もの『向日葵の咲かない夏』がおすすめです。

横山秀夫

警察もの作品が中心で、『半落ち』はアルツハイマーの妻を殺害してしまった主人公の空白の謎を追う物語です。
元新聞記者という見識を生かした作品も多く見られ、デビュー作である『ルパンの消息』は昭和の3億円事件に絡む傑作ですが、初めての人にもおすすめしたい作品です。

誉田哲也

ドラマでも話題になった姫川玲子シリーズ『ストロベリーナイト』他、警察ものの推理小説が人気ですが、『武士道シックスティーン』など武士道シリーズの青春小説の中にも、武士の精神が描かれ、ただ青春群像を描いているのとは異なる面白みがあります。

伊坂幸太郎

映像化された作品も多く、初期作ですでに話題になっていた作家です。
人気のある『モダンタイムス』はWEBシステムと現実をテーマにしており、読みやすい展開になっています。
「陽気なギャング」シリーズなども人気が高く、ぜひとも読んでほしい作品です。

海室尊

医師でもある為、自身の知識や主張を作品に織り交ぜ「チーム・バチスタ」シリーズでよく知られています。
他にも医学をテーマにした作品が多いので、ドラマ化されたチーム・バチスタにはまってしまった人は、その他の作品もきっと楽しんでいただけます。

東野圭吾

大ヒット作家の作品はどれから読んでも楽しめますが、ガリレオシリーズ『容疑者Xの献身』の前に『探偵ガリレオ』『予知夢』などを先に読んでおくとより楽しめます。
『手紙』は加害者親族をメインに描かれますが、加害者家族の心理描写に胸が詰まります。
涙を誘うものからユーモアのあるもの、軽いタッチのミステリーまで作品のタイトルで選んでみても面白いのではないでしょうか。

宮部みゆき

ミステリー以外の作品でも定評のある作家です。
クレジットカードをメインにして消費者金融の在り方を描いた『火車』。
『模倣犯』全5巻、その9年後を描いた『楽園』2巻は長編小説になります。
その他に、時代物やファンタジー作品もあり、人気のある作家です。

坂木司

「ひきこもり探偵シリーズ」が代表作になります。
ミステリーでありながら青春ものを取り入れ、日常の事件が題材になっています。
デビュー作は『青空の卵』。『和菓子のアン』、『先生と僕』も日常の事件や謎をメインにした作品で、比較的読みやすいライトミステリー作品が多くなっています。

湊かなえ

見逃せない作品は、何かと話題になった『告白』でしょう。
人間の心理描写や追い詰められる静けさに怖さを感じてしまいます。
『少女』は人の死を目の当たりにしたい女子高生を主人公にした作品で、映像化された『夜行観覧車』は家族間の事件から家族について考えさせられる作品です。

東川篤哉

ユーモア・ミステリー作家として知られ、『謎解きはディナーのあとで』で一躍有名になりました。
映像化もされていますが、軽い感じで読んで楽しめるミステリー作品です。
「密室」シリーズ、「烏賊川市」シリーズ、女子高生を主人公とした『放課後はミステリーとともに』など、コミカルでギャグやシャレのきいた笑いを誘う話は、血なまぐさいシーンやリアルな恐怖が苦手という人におすすめしたい読みやすさです。

東川篤哉の「烏賊川市」シリーズ

昔イカがよく捕れた海から川を遡った所にある都市「烏賊川市(いかがわし)」この名称だけでも“如何わしい”主人公たちが想像できますね。

本格ミステリーでありながら、登場人物のキャラ設定や会話のやり取りがギャグやユーモアにあふれ、読みやすい文章に引きつけられます。殺人トリックや事件の伏線はしっかりと描かれてミステリー要素に驚きです。

烏賊川市の自称「街いちばんの探偵」鵜飼杜夫と、体だけは丈夫な助手の戸村流平が事件を解決して行く「烏賊川市」シリーズ、ギャグとコミカルな表現があるからこそ、ミステリーが重すぎずに生き生きしてくるのでしょうね。

「烏賊川市」シリーズは、どの順番に読んでも面白い、読みやすい作品になっています。

参考までに発売された順番は以下のとおりです。

  1. 『密室の鍵貸します』(2006年2月)
  2. 『密室に向かって撃て!』(2007年6月)
  3. 『完全犯罪に猫は何匹必要か?』(2008年2月)
  4. 『交換殺人に向かない夜』(2010年9月)
  5. 『ここに死体を捨てないでください!』(2012年9月)
  6. 『はやく名探偵になりたい』(2014年1月)
  7. 『私の嫌いな探偵』(2015年12月)
  8. 『探偵さえいなければ』(2020年1月)

東川篤哉の「鯉ヶ窪学園」シリーズ

主人公、僕こと鯉ヶ窪学園探偵部副部長“霧ヶ峰涼”が学園内、その周辺で起こる事件を解決していく話ですが、密室トリックを物理的に解明していく手順も面白いのですが、探偵部副部長でありながら、主人公が事件を解決するよりも“霧ヶ峰涼”の存在こそが魅力となっています。

エアコンのような名前と揶揄われて憤慨しながらも、頼まれると断れず「広島カープ」命のカープ女子。自分の事を「僕」と呼ぶれっきとした女子高生なのです。その性格や魅力が存分に描かれている「鯉ヶ窪学園」シリーズは、コミカルなドタバタ学園コメディーのようでもありますが、ミステリーの要素は十分に考えてある楽しく読みやすい作品です。

  • 『学ばない探偵たちの学園』
  • 『殺意は必ず三度ある』
  • 『放課後はミステリーとともに』
  • 『探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2』

東川篤哉の「謎解きはディナーのあとで」他シリーズ

映像化された『謎解きはディナーのあとで』は大変有名な作品ですが、その他にも多くの作品が出版されています。

魔法使いマリィシリーズ

  • 『魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?』
  • 『魔法使いと刑事たちの夏』
  • 『さらば愛しき魔法使い』

平塚おんな探偵の事件簿シリーズ

  • 『ライオンの棲む街』
  • 『ライオンの歌が聞こえる』

この他にも多くのライトミステリーやユーモア・ミステリー小説を書き続けています。どの本を手に取っても気軽に楽しみながら読むことの出来る推理小説です。

短編集から読み始めるのも良いですし、シリーズの順番から読み始めるのもよいでしょう。軽い推理小説を読んでみたい方、笑いを含みながらもしっかりと考えさせられるミステリー小説として、【東川篤哉】の作品をおすすめします。

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