不動産投資には様々なスタンスがありますが、大きく分けるとインカムゲインとキャピタルゲインの2つに集約されます。
不動産投資におけるインカムゲイン、キャピタルゲインとは以下のような利益を表します。
- 不動産を購入し、賃借人に賃貸し賃料を得ること(インカムゲイン)
- 不動産を購入し、利益を乗せて他人に売却すること(キャピタルゲイン)
もう少し詳しく見ていきましょう。
目次
インカムゲインとキャピタルゲインのどっちを狙うか
まず最初にキャピタルゲインを狙う投資は、個人では難しいです。
そもそも不動産会社との情報格差がありますし、個人間においてはこの情報化社会ですからたまたま安値で放置されている不動産を見つけて他の人よりも早く購入するのはなかなか厳しいものになります。
また、キャピタルゲインを狙って不動産を売却する時には利益を乗せた分だけ購入者からすると利回りが低くなります。
不動産投資家は大体自分の中での線引きがありますので利回りが低い不動産はなかなか売れません。
つまりキャピタルゲインで利益を得るためには、物件そのものの価値を向上させてから売却するなど一工夫が必要です。当然それだけの元手も必要となります。
一般的に個人で行う不動産投資といえばキャピタルゲインは狙わずにインカムゲインを狙って不動産を取得することになります。
つまりインカムゲインで利益を得るために取得した不動産を賃貸に出します。このサイトでも主に賃貸による不動産投資について解説しています。
安定的な家賃収入の得られる物件というのは、価格も安定していますから、売却時に困ることもあまりないでしょう。
インカムゲインを狙うための大家としての考え方
不動産の貸付は投資というよりも事業として考えるべきです。どのような事業かというと、「賃借人に気持ち良く住んでいただく場所を提供するサービス業」です。
事業というのは自分の利益だけを追求していてはダメです。自分の利益だけを優先しているとどんな会社もお客さまから相手にされなくなり潰れてしまいます。
事業というのは顧客にとって、社会にとっての価値を提供しなければ誰からも必要とされなくなってしまうのです。
不動産投資は不労所得と言われておりますが、そのような気持ちで不動産を購入したまま管理会社に任せっきりでは不動産貸付業においての成功は難しいでしょう。
特にこれから日本は人口が減少していきます。住む魅力のない部屋は空き家になっていくでしょう。
20年後、30年後を予想して、賃貸需要を考えた不動産を取得してください。
一棟と区分、どちらが正解!?
不動産を取得する際、区分所有で行うか一棟所有で行うかは迷うところでしょう。
以下のように一棟物件信者は区分所有の投資を否定していることが多いですし、逆もまた然りです。
一棟物件信者の言い分
- 一棟は空室のリスクが低い(8室あって2室空いても6室は稼働中なら毎月のローン返済は可能など)
- 区分所有は家賃収入が0か100になってしまう
- 区分所有は管理費、修繕積立金が毎月発生する
- 区分所有はローンが厳しい
区分所有物件信者の言い分
- 一棟物件は借入が大きいから怖い
- 区分所有は額が小さいから始めやすい
- 一棟物件は場所の分散ができない
- 一棟物件は管理費・修繕費がない代わりに、何かあった場合に纏まったお金が必要
結局、どっちがいいの?
一棟所有信者も区分所有信者も言っていることは間違っていないと思います。
ただ区分所有物件の方がローンは難しいのではないかと思います。一昔前までは区分物件の取り扱いを行っている銀行も少なかったです。
最近では区分物件を扱ってくれるところも増えてますが、銀行としては一棟物件の方が安心と考えているのか「アパートローン」と称して一棟物件に融資しているところは多いです。
仮に5,000万円のキャッシュがあり全部を使うことができ購入するのであれば、1000万円の区分所有物件を5戸買うのと、5,000万円の一棟物件を1つ買うのでどのような違いがあるかと言うと、お互い上記のような言い分になるでしょう。どちらにも善し悪しあるわけです。
私としては区分物件は、毎月管理費と修繕積立金を払わないとならない上に、管理・運営の方針など自分ではコントロールできない部分が大きいこともあり一棟物件を優先しています。
ワンルームかファミリータイプか?
投資物件にはワンルームタイプのものとファミリータイプのものがあります。
どちらがよいか、これはエリアによります。ファミリーが多く暮らしているエリアにワンルームを持っても希少価値こそ高いでしょうが、マーケットはかなり狭まります。
東京23区内の場合であれば1人暮らしの人が多く、世帯数は増え続けているので、ワンルームタイプの方がよいと思います。
不動産投資は空間提供ビジネスなのでその辺を考えながらエリアと物件のリサーチをしていくべきです。ちなみにファミリータイプは広いのでワンルームよりも空室時の穴が大きいことは言うまでもありません。