派遣社員は多くの場合、派遣会社に登録し、派遣社員を求める会社の要望に応じて職場を変えていくことになります。
しかし派遣の形態も幾つかあり、その中の一つとして「紹介予定派遣」というものがあります。これは派遣社員として半年間など一定の期間勤務し、その後会社と労働者の双方の合意があれば正社員として採用されるというシステムになっています。
派遣から正社員になれるという、なんとも便利なシステムですが、実際にこの制度を利用して正社員になることは可能なのでしょうか。
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会社側の合意が必要である
紹介予定派遣は労働者と今宵側である企業両方の合意が必要です。
3ヶ月や6ヶ月勤務し、もし企業側が「この人は能力が足りない」「うちの職場には合っていなさそうだ」と考えた場合にはたとえ自分が正社員として働きたいと考えても、雇用に至らない場合があります。また正社員だけではなく、契約社員としての勤務になる場合もあります。
厚生労働省の調査によると、紹介予定派遣として一定期間勤務した後の合意率は75%となっています。正社員に限れば50%程度のようです。残りは契約社員として採用されることが多くなっています。
面接時に一定のハードルが設けられている
全員が全員なれるわけではありませんが、企業としても基本的に正社員を増やすつもりで紹介予定派遣制度を導入しています。そのため通常の派遣社員では顔合わせ程度である面接も、紹介予定派遣の場合は正社員の採用面接並に複数回行われることもあります。
逆に考えればここで高いハードルを設けているからこそ、紹介予定として正社員になれるのです。最初の面接が非常に重要な意味を持つことを理解しておきましょう。
手取りは派遣の頃より下がる可能性がある
本人にその気があれば、派遣社員から正社員になれる可能性は比較的高いといえますが、一方で注意をしておかなければいけないポイントがあります。それは派遣社員だった頃のほうが手取りの給与額が多くなることもあるという点です。
派遣社員はボーナスや交通費、退職金など福利厚生の面で正社員よりも劣ります。その分給与は交通費込みということで、定時である8時間勤務などの場合、同年代の正社員よりも高くなるケースが多くなります。
ただし先程書いたように、福利厚生面では圧倒的に正社員の待遇の方が良いですし、正社員はボーナスや昇給もあります。目先のお金だけにとらわれず、総合的に考えれば正社員を選ぶべきでしょう。