会社勤めの傍ら趣味と実益を兼ねて副業していたのが、何とか自分の本職として利益を得る見通しが立ってきたので、サラリーマン生活を辞めて個人事業主として開業する人が多くなっています。
開業届を出して、まずは事業主一人で何もかもすることから始めました。取引先の開拓も仕事も事務も経理も、各種届出も自分一人で解決すれば余分な経費は掛かりません。
しかし、思った以上にやらなければならない事が多く、売上に繋がる仕事にかける時間の配分がうまくいきません。個人事業主が陥りやすい問題は、一人で何でも出来ると思っていることにあります。
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個人開業5年後に生き残るのは10人に1人という現実
個人事業廃業届を提出する人が、すべて廃業してしまったのかと言うとそうばかりではありません。
開業後順調に利益を伸ばして、法人也する事業主も廃業届を提出します。
また、廃業届を提出せずに雲隠れする事業主もいたりしますから、統計やデータによって多少の誤差は生じますが、開業後1年で約半分の事業主が倒産・廃業に追い込まれ、5年後に生き残っている事業主は約1割といわれています。
あるデータでは、開業後半年で40%が廃業するとも言われます。
個人事業として開業するのも簡単ですが、誰でも半年後、1年後に廃業したいと思って開業する人はいません。
開業に踏み出す人達は、自分の実力を試したい、絶対に成功して儲けよう、家族を楽にしてあげたい、自宅開業で家族との時間をたくさん持ちたい、配偶者にも給料を支払って、社員も雇うようになりたい、たくさんの夢を持って独立開業します。
もちろん、そう簡単にいかないこともわかっていますが、思った以上に事業主としての知識の足りなさ、儲けることの難しさ、税金や法律・届出の多さに開業後気づいて身動き取れなくなってしまいます。
届出や支払い、お金の動きを管理することの大変さや儲けることの難しさを身をもって知ることになるのです。
サラリーマンを続ける方が安定した給料が入って楽だったと悔やんでも、開業したからには出来るだけ事業を続けていきたいものです。
個人事業主が開業失敗を感じる瞬間!
夢の個人事業主開業だったはずが、開業して損してしまった失敗だったと感じることってどういうことでしょうか。
まだ廃業はしていないけど、早晩行き詰って届出を出さなければならない状況になっていたり、収入以外でもいろいろな失敗はあるようです。
・自分のやりたいことが思いきり出来ると思っていたが、現実はそうばかりではない
・当初は収入が少ないだろうと予想していたが、思っていたよりも大きく下回ってしまった
・会社勤めの時よりも休日返上で仕事して、家族と過ごす時間がない
・上司が偉そうにしているのが嫌で独立したのに、取引先に頭を下げないと仕事が貰えないのがツライ
・事務の仕事は知っているつもりだったが、経理の仕訳や計算が面倒でよくわからない
・わからない事は勉強しながらやれば1人でも出来ると思ったが、自分一人では何も出来ないことがわかった
など、いろいろな場面で失敗したなあ~と思いながらも、事業主の方々は頑張っているのが分かります。
事業を開始するには、元手となる資金が必要で、売上を上げるのも経費がかかり、儲ければその分納税の義務も出てきます。
一月、一年の事業計画や売上目標などを立てて、クリア出来るように管理を徹底するなど、一人で何でもやるのではなく、苦手な部分は他の人に手伝ってもらうなどの対策が必要です。
個人事業が継続できない人に共通する理由!
事業が成功するも失敗するも自分次第。
開業したら全員が成功するわけがありませんから、厳しい言い方をすれば成功するための努力や勉強を如何にしているか、他と差別化できるアイデアを持っているか、冷静に自分の事業内容を分析出来ているか、成功する人はその為の「学び」を怠りません。
以下に失敗する人に見られる共通点を書きますから、成功する為の参考にしてくださいね。
経営について学んでいない
経営の手綱を握っているのは事業主であり、自分が責任者です。経営の主軸である商品やサービスが良ければ利益が上がると思っていたら大間違いです。
事業を継続させるのは、利益を上げるだけでなく経営を学ばないと収支の管理ができず、資金の浪費に繋がります。
個人事業主は経営者です。経営を学ばないと事業の存続は難しいでしょう。
新しい技術や知識を学ばない
WEB系であれば、どんどん進化するWEBの新技術や進化する知識を学んで取り入れないと、すぐに後れを取ってしまいます。
WEB関連に関わらず、業界の最新情報やアイデアを常にチェックして季節前にデザイン発表するなど先駆けることが大事になります。
何でも自分でやろうとする
すべてを自分でやらないと気がすまない人は、すぐにキャパオーバーになってしまい事業が破綻してしまいます。
忙しいとミスが出やすくなり、無理をすれば心身疲労を起こします。自分一人の限界を知って、家族やアウトソーシングを利用して人に頼ることも必要です。
他者に任せることで、事業に対する第三者目線を上手く利用できて、事業に専念することが出来るようになります。
自己管理が出来ない
在宅で事業する場合、自己管理が出来ていないと安定して仕事する時間の確保が難しくなり、夜型になったり、やる気が出なかったりして仕事の約束が守れないなど、個人事業主として致命的な経営になります。
開業前に自己管理のルールをしっかり決めて、実行する課題を常に意識することが必要です。
無計画で開業する
会社勤務が嫌になったし、好きな副業を本業にすれば良いから開業しようなどと無計画に独立することが、失敗する一番の原因です。
開業することが夢だったから独立する無謀な行動は、家族を巻きこんで生活も困難になるほどの失敗になります。
給料をもらっている間に、開業後の計画を立てて収入を得る目途が立ち、取引先を確保できて資金計画、事業計画を立てたら計画に沿った開業をすることです。
開業10年後、個人事業主として生き残るために、利益が右肩上がりになり社員を雇って給料が支払えるように、常に謙虚で収支を意識し学びを怠らず事業に取り組むことが成功への近道です。